28歳FTM・家族とカミングアウトのこと【その1】
ー20歳の時のこと、父親から「お前は男に生まれた方が良かっただろうなぁ...」と言われたことは今でも覚えてるー
紳士淑女の皆様、こんばんは。さねすけです。
今回は、カミングアウトについて書いていきます。
僕のカミングアウト事情
結論から言いますが、僕は友人以外には特にカミングアウトはしていません...!
家族、会社、知り合い....。
「身体が女性だけど、実は心は男性なんだ!」という自己主張がどうにも苦手です。
友人にも、戸籍訂正しようと思ってるんだーとLINEでぺろっと言った程度です。(※20歳の頃に、さねすけって性別何なの?って聞いてくるような類の友人たち)
僕はそもそも、自分のような、見た目が"女性"の人間が、自分の心が男性だ!と主張することは、相手にとって負担になるんじゃないかと思っている節があります。
パス度も低いのに、自分のことを男性として扱ってほしいというのは、
"俺のことを理解しろよ!!!"と押し付けるように思えてしまい、どうにもやりきれないんですよね...。僕はパス度が低い内は、ただただ大人しくするつもりです。
言うなれば、あなたが判断した見た目の性別で決めてください、というスタンスでいます。
そもそもの話
僕はそもそもカミングアウトというのがどうにも嫌いです。
"カミングアウトしたけど、受け入れてもらえなかった。拒絶されてしまった。"
こう言った話はマイノリティに所属した人間であれば、馴染み深い話だと思います。
今までにそう言った経験をされた方も多くいらっしゃることでしょう。とても勇気のあることだと思います。
僕にはそんな勇気がないです。拒絶されるかもしれない可能性があるなら、伝えたくないです。言わなきゃ相手には伝わらない、とはよく言ったものですが、自分の非常にセンシティブな気持ちを相手に伝え、尚且つそれが拒否されてしまうんだとしたら・・・なんて辛いことでしょうか。拒否する側が悪いとは思いませんが、とはいえ拒否された側はたまったもんじゃないでしょう。
そもそもの話、自分の存在は一貫して変わらないはずなのに、何故相手からの承認をもらわないといけないんでしょうか。何故、拒否されたり、拒絶される可能性に怯えながら、相手に伝えなければならないんでしょうか。こういう感覚がベースにあります。
僕の場合は、幼い頃からお前は男とは違うんだからと周りから言われ続け、自分の正直な気持ちをずっと押し殺して生きてきました。擦れてしまったんでしょうね。自分の正直な気持ちを相手に伝えたいとか相手に理解してほしいなんて気持ちはもうどこかに飲まれてしまった...。
わざわざ理解しようとしなくていいから、何も言わずにできるだけそっとしておいてくれよと思います。
家族に対して
父と母からは、
「お前は昔から自分の話をしない」
「あなたは何も言わない」
と成人した頃に言われたような記憶があります。
僕は自分のことを誰にも語らずに生きようとしてきました。
自分のセンシティブな部分を、
自分の性別を、
自分の口で、
言葉にして、
相手に届けないといけない。
このことが僕にはとても憂鬱でした。
「言葉にしなくちゃ伝わらないよ」
とは言ったものの、普通に男性として生まれてきていればそんなことをする必要もないのに、「何で自分だけ、言葉にしなくちゃ伝えられないんだよ」という気持ちが強くありました。言葉にしたら、何かが失われてしまいそうな感覚があって、それがたまらなく嫌で嫌で仕方がなかったです。だから、家族にはカミングアウトということは今までしていませんし、あまり自分の身の回りの話もせずに過ごしてきました。
まぁとはいえそんな僕も一度だけ、家族に対して、言葉にして自分のことを伝えるべきか、と迷ったことがあります。
それは冒頭にも述べていますが、父親から20歳前後の頃でしょう、
「お前は男に生まれた方が良かったんだろうなぁ...」
としみじみ言われた時のことです。確かめていないので、その発言の真意は分かりません。しかし、僕は父親からのその言葉が嬉しかったんですよね。
父親は母と違って、元々僕のことを、「女だから云々〜」とは言わない人でした。
父とあまり腹を割って喋ったこともなかったのですが、であるからこそ自分の態度や素振りだけで、"女性"ではなく"男性"としての方がお前は社会に向いていると判断してもらえたような気がして、そのことが何だか嬉しかった...。
この時、思い切って、「自分は女性ではない、男性として社会に認められたい」と言ってしまおうかという考えが頭をよぎりました。
しかし結局僕は・・・ただただ沈黙していました。おそらくあの時の僕は苦虫を噛み潰したような顔をしていたことと思います。
言葉にして伝えた瞬間、今まで堰き止めていたものが一気に全て溢れ出そうな気がして、それがたまらなく嫌で、グッと自分の気持ちを抑えてしまいました。
言ってしまったら最後、涙が止めどなく溢れてくるのは分かっていたから。涙を見せるのがとても嫌で、結局下らないプライドを守るために沈黙を貫きました。泣いてるところなんか見せたくない。やっぱり言葉になんてしたくない。
今後について
僕のカミングアウト事情というのは、こんな感じです。気付いたら2400文字くらい書いていましたが。とどのつまり、現状何にもしていません!!!!
が、今後は戸籍訂正をしていくつもりなので、家族にも一応義務的には伝えようと思っています。タイミングとしては、彼女と同棲する時にでもしようかなぁとぼんやり思っているところです。まぁ伝えた時はまた改めてブログを更新いたします。
ちなみに家族からは受け入れられようが、受け入れられまいかは正直もう何でもいいかなという気持ちでいます。家族の意向がどうであろうとやること変わらないですからネ・・・。
淡々と伝えるから、、、どうかそっとしてください。
これが僕にとっては理想的。
ps.
今後、ライフステージが変わるにつれて、今のような考え方ではいられなくなる可能性も往々にしてあると思いますが、自分の気持ちの変化はそれはそれとして楽しんでいきたいと思っています。