男性ホルモン注射から303日が経過。
掲題の通り、303日目を迎えた。
そう遠くない内にホルモン注射を初めて打ってから1年が経過するんだなということは分かっていたが、こう改めて数値としてみると、「あぁ、そんなに経っていたのか.....」と少し驚いてしまう。
肉体の変化というと、もう正直なところよく分からない。
声は変わったと周りから言われているし、周りからも気付かれる程度にしっかりと変化はしている。ただ、自分では変化がよく分からない。ホルモン注射を打ったところで、魔法のように一気に男性化するわけでもない。日々、少しずつ変化する。その少しずつの変化というものに、自分では気が付きにくい。変化を記録するのも次第に億劫になってきた。これはきっと多くのトランス人に起きることのように思う。
声は低くなった。毛が濃くなった。ヒゲが生えてきた。陰核は肥大化した。(これには本当にびっくりした。明らかに大きくなっていた)
それでも、日々の変化はわずかで、どれもこれも自分の身体とは全て地続きのものだ。
元の身体が少しずつ、少しずつ変化している。治療をしても、自分が生まれ変わることはない。全ての変化は、自分の身体と地続きだ。自分は自分である。それでも、ホルモン治療をすることの効果は絶大で、自分の場合は、ホルモン注射をすることで、ようやく男性としての自信や尊厳を取り戻せた(取り戻せつつある)ように思う。
他者から女性とジャッジすることでいちいち傷付き、しょうがないことなんだと自分をなだめることをする機会が減った。これは自分にとって、ホルモン注射の大きなメリットだと感じている。