【前編】ドラマティックな出来事ってなんだろね
彼女は、ファンタジーが好きだ。
物語性がある、ドラマチックな展開を好む。
フィクションに求めるのは、楽しさや癒しであるらしい。
リアルで生々しい、現実世界を想起させるようなモノを好まない。
そんなものはこの現実世界だけで勘弁して欲しいようである。
その一方で僕は、リアルに近しいフィクションが好きだ。
ファンタジーはあまり得意ではない。
単純に、想像力が足りないのだと思う。
あまり自分から好んで摂取することはない。
僕はリアルな世界で欠けたモノを補うかのように、音楽や本やその他の外部的なモノを摂取している。
さて。
どう言う流れから言われたのか、記憶が定かではないが、
先日、彼女とわいきゃい話をしていると、こんなことを言われた。
「さねすけって何でそんなにドラマみたいなことばかり経験してるの?」
(・・・・・・・・・・・・・・・・???ドラマミタイナコト????)
僕の頭の中で、疑問符たちが一斉に旋律を奏でていた。
ドラマみたいなエピソードって一体なんだ。僕は頼りない記憶の糸を手繰り寄せあれこれと考えてみた。しかし、どうだろう。
僕の父さんは公園で家族を集めて「解散!」と言うこともなかったし、火のつくような借金地獄の経験やそこからの大逆転サクセスストーリーなんていうのとも無縁な人生だった。それから、ベロンベロンに酔っ払って2丁目でうずくまっていたら、美人のお姉さんに拾われてイケナイ関係になってしまったなんていうことも残念ながらなかった。こんちくしょうめ。
ただここで諦めてはいけない。もしかしたら、自分では忘れてしまっただけで、案外僕にだってドラマみたいなエピソードがあるのかもしれない。僕は一縷の希望を抱き、彼女に質問をしてみた。
「ドラマみたいなエピソードって具体的に何のこと?というか、ある種、FtMっていう運命を背負った人であれば、誰だってってドラマみたいなエピソードになり得るんじゃない??」
「ちがうちがう。FtMとかそういうのはどうでもいいの。」
そう言って、彼女はあれやこれやと幾つかのエピソードを教えてくれたように思う。
うん。さぁて..............
全部忘れてしまった・・・。まぁ興味があまりなかったんでしょう。いやしかし、全然覚えてなさすぎて笑える。己のばかやろうです。明日やろうは馬鹿野郎。己のばぁかばぁか。
※ちなみに後日彼女に聞いたところ、めんどくさそうに「全部だよ、全部。フィクションみたいなことばっかりじゃん♡」と言われました。
彼女は僕の経験のことを"ドラマチック"だとか"新鮮だった"なんてことを言いますが、
平々凡々にアラサーまで生きてきた僕にはその言葉はあまりピンときません。
むしろ僕からすれば、彼女が"ドラマみたいなことをしてくる人"だという認識があります。
冷や汗をダラダラ書きながら、ドラマかよ。終わった・・・。
なんて思ったのは、大学2年生の時のお話。
多分、次回書きます。今日はちょっと熱っぽいのでまた元気な時にでも。
ここ連日微熱が続いております。
皆さんも、くれぐれも体調にはお気をつけくださいませ。
ではでは〜。